風景に書き込まれた歴史を読み解く

The Story Behind the Scenery

ヘルメットをかぶって通学する児童



嬬恋西小学校の児童は、白いヘルメットをかぶって通学しています。

小浅間山溶岩ドーム



小浅間山は、浅間山頂火口の東4キロ地点に2万1000年前に上昇してきた溶岩ドームです。溶岩ドーム形成の直前には白糸軽石が噴出しました。東側(左側)は峰の茶屋です。森の中に東大の浅間火山観測所があります。西側には森がなく、裸地になっています。1)風上側にあたる、2)山頂火口から放出される火山ガスの悪影響が考えられます。
 小浅間山の山頂は、窪地を挟んで二つに分かれています。溶岩ドームは巨大なパン皮火山弾のようなものですから、冷却に伴ってひび割れします。久野久はこれを断層だと考えましたが、その表現は不適当です。溶岩ドーム頂部のひび割れは小浅間山だけに限らず、他でも見られます。箱根の双子山、伊豆半島の矢筈山、別府の由布岳など。

上の舞台溶岩を覆う地層



Bスコリア上部の下に赤や黄色の火山灰があります。追分火砕流に付随する火山灰と似ています。上の舞台溶岩は追分火砕流より前に流出したのだろうか。

P1010698s.jpg

上の舞台溶岩の上には、溶結した吾妻火砕流(1783年)の立派な断面も確認できます。上の舞台溶岩の表面でひときわ目を引く赤くて丸い大小の岩塊は、上の舞台溶岩の一部ではなく、1783年8月4日に流れた吾妻火砕流が残した地層です。

二度上峠から見た浅間山(8月31日)



夏の終わりの浅間山です。

日本沈没 ハイテクジャンボは火山弾で落ちない

私が映画をいつも見に行くMOVIX伊勢崎では、日本沈没をこれまで毎日5回上映していましたが、明日から毎日3回に減らすそうです。

Yahoo!映画レビューでの、日本沈没の評判はすこぶる悪い。

この映画は、33年前の社会現象を経験した中高年をたいへんがっかりさせたようです。社会現象を知らない若年層にも、日本沈没はこんなんじゃないはずだという意見が多いようです。

石坂浩二ふんする首相を乗せた航空機が阿蘇山上空で噴煙に直撃されて墜落する。中国に向かう首相が乗った航空機は、まさか高度2000-3000メートルを航行するセスナかプロペラ機ではないだろう。首相が乗った飛行機は政府専用機だったはずだ。それはハイテクジャンボ(ボーイング747-400)である。高度1万メートルを航行する。

墜落の詳細は映画に描かれていないが、石坂浩二が窓から外をのぞいて噴火に気づく映像でその場面は終わる。火口から放出された火山弾に直撃されて墜落したようにみえる。しかし、どんなに大きくて強い噴火でも、火口から10キロも上まで火山弾が届くとは考えられない。どんな爆発でも、火口噴出時の勢いは2-3キロで萎えてしまう。そのあと噴煙は、地球大気から得られる浮力で上昇する。

政府専用機が阿蘇の噴火で墜落するストーリーをつくりたかったなら、ジェットエンジンが火山灰を吸い込んだために運転停止したことにすればよかった。火山灰は石の粉だから、ジェットエンジンがそれを吸い込むと高温のために融けてエンジン内部に付着する。墜落に至ったことはまだないが、4基のエンジンのうち3基がダメになって、残りの1基だけでかろうじて緊急着陸した例などが実際に複数ある。

首相が早々と事故死してしまったためか、私がこの映画に期待した国の災害危機管理はまったく描かれていない。ひたすら困惑するだけで、国民にうそを言って自分だけ生き延びようと画策する紋切り型の悪役人を描くに留まっている。災害対策基本法が定める緊急災害対策本部(28条の2、内閣総理大臣が本部長となる)が置かれ、災害緊急事態(105条)が布告される映像が見たかった。国家が滅亡するという大事だというのに、この映画は、国の対応の描き方がまったくずさんだ。

たいへん興味深い地学ストーリーで、33年前の宣伝効果を丸ごと継承できるはずだった。しかし恋愛を中途半端に持ち込んだために、収穫できるはずだったハイリターンをこのリメイク映画はみすみす逃してしまった。

いくら地学を題材にした映画でも、映画としての完成度が不十分なら、料金を払ってまで見るように勧めることは私にはできない。

愛が日本沈没を救う(5月30日記)

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浅間山現地見学会を実施します

このブログをご覧の方へ、

浅間山北麓の新しい地質図を作成するにあたって、製図してくれる職人さんに現地を案内する1泊2日の旅行計画を立てました。興味ある方は、ご参加ください。

見学会の方法と内容
新しい地質図をかく上でポイントとなった地点を車で巡る。水平方向の地質境界をいかに正確に決定するか、その方法論を実例を前にして考えます。

8月26日(土)
高崎駅あるいは軽井沢駅に集合
・押切端
・紀州鉄道ホテル
ランチ
・北軽井沢
・甘楽
・大屋原
・応桑田通
・濁沢
・池の塚
草津セミナーハウス泊

8月27日(日)
・サンランド
・鎌原観音堂
・上の原
・グランナチュール
・寿の郷
ランチ
・大笹
・東泉沢
・藤原
・溶岩樹型
万座鹿沢口駅または渋川駅または高崎駅で解散

連絡事項
・2万5000分の1地形図3葉「浅間山」「北軽井沢」「大前」を貼り合わせ、折りたたんで持参してください。
・経費は、1泊4食で7000円くらいかかります。
・車2台8名まで

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