風景に書き込まれた歴史を読み解く

The Story Behind the Scenery

日光白根山の火山地形



日光白根山には、複数の顕著な火山地形があります。座禅山の火口とそこから北に流れた溶岩(黄色)。白根山頂から北に向かって流れたが、座禅山に突き当たって東西に流れ分けた溶岩(緑色)。血ノ池地獄は火口のようにみえますが、この溶岩の中に生じた地すべり地形です。この溶岩は、行く手を座禅山にさえぎられていますから、座禅山より新しい。しかし6世紀に榛名山から飛来した伊香保軽石に覆われているから、1500年前より古い。

山頂は、西北西-東南東方向に伸びる顕著な地割れ(赤色)に横切られています。この地割れは、『日光山志』によると、慶安二年(1649年)の噴火で生じたといいます。この地割れ火口の南側には、直径300メートルほどの大きな火口をもつタフリング(青色)があります。マグマと水が接触したときにできるタフリングが山頂にあるのは不思議です。このタフリングも6世紀の伊香保軽石に覆われています。

武尊山から湧き出す水を利用した川場村の稲作



武尊山は、第四紀前半、いまから100万年ほど前に噴火した火山です。関東平野からは、赤城山の後ろに隠れてしまって目立ちませんが、冬から春にかけては赤城山の左側に雪をかぶって白くなった武尊山が顔をのぞかせます。火山体の大きさは、赤城山や榛名山にひけをとりません。大きくて立派な火山です。山腹には、スキー場がたくさん建設されています。

武尊山の南斜面にある川場村は水に恵まれて日当たりがよいので、おいしいお米がとれます。黄金の稲穂がいま盛りです。刈り取りが始まりました。

鬼押出し溶岩の水冷構造



浅間園火山博物館を訪れた人がまず最初に見る鬼押出し溶岩の塊には、顕著な水冷構造が観察できます。これは、安山岩溶岩としてはきわめて異常です。この異常が、安山岩溶岩の代表的みかけだと多くの観察者の脳裏に刻まれるとしたら、それはたいへん困ったことです。

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亀の甲らのようなこの水冷構造は、柳井沼の水によってつくられたと考えられます。

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