風景に書き込まれた歴史を読み解く

The Story Behind the Scenery

大統領就任式の準備進む

1月20日正午、アメリカ大統領がブッシュからオバマに交代します。その就任式のための準備がいまワシントンで着々と進められています。きょうは、その進捗状況を見てきました。

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国会議事堂の前庭に無数の椅子が並べられています。この正面壇上に、オバマ新大統領が正午きっかりに現れるのだそうです。この椅子に座るチケットがない人は、モールの芝生に立ってはるか遠くからオバマをみることになります。スミソニアン自然史博物館の前にたくさんの仮設トイレが並べられていました。当日まで使えないように、すべてのドアがビニールひもでロックされていました。

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国会議事堂で就任演説を終えたあと、オバマはこのロータリーからペンシルバニア通りをホワイトハウスまでパレードします。当日は、オバマをひと目見ようとする人たちでこの通りがあふれかえると予想されています。右の写真は、ペンシルバニア通りの途中から国会議事堂を振り返ったものです。

通りのところどころに仮設階段席が設けられていました。この席のチケットが金曜日の13時から1席25ドルで売り出されましたが、1分で売り切れたそうです。チケットがないひとは立ち見になります。パレード当日にペンシルバニア通りに近づくには、13ヶ所に設けられるセキュリティゲートのどれかを通過しなければなりません。どの入口にも長蛇の列ができるだろうと予想されています。

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ホワイトハウスに到着したあとオバマは、敷地の北側にあるこのガラス張り*の中に現れてスピーチすることになっているようです。ここにも仮設階段席が多数設置してありました。

*このガラス張りは、オバマがスピーチをするためではなく、オバマが(逆に)パレードを見るための席でした。終わったあとにわかってもどうしようもないのですが、オバマがホワイトハウスに入ったのを家でテレビで見届けてから地下鉄に乗り、このガラス張りの前の仮説階段席に座ってパレードを見ながらオバマ夫妻を見学するのが一番賢い方法だった。氷点下の寒さに耐え切れず、チケットの権利を早々に放棄したひとが多かったらしい(1月22日追記)。ここでパレードを見たのはオバマだけだったという発言を耳にしました。予定より2時間遅れて始まったので、オバマが着席したときにはすでに暗かったという。仮設階段席の人影はまばらだったということなのでしょう。そういえば、パレードをみる群集の写真はひとつもみません。また、モールで就任式に参加したひとに聞いたのですが、集まった人の半分は黒人だったそうです。このような人種比率はこれまでの就任式ではなかったそうです。黒人たちの多くは家族で来ていたそうです。黒人たちにとって、2009年1月20日はたしかに歴史的な日だったようです(1月26日追記)。

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四回の大津波が残した地層 タイ


EARTHという月刊誌の2009年1月号で紹介されている地層断面の写真。一番上が2004年にインド洋で発生した津波の堆積物。その下に、黒色の泥炭をはさんで700年前、1450年前、2800年前の津波堆積物がある。タイのこの地域は、およそ1000年に一度2004年のような大津波に襲われていたことが、地層という物的証拠をもって、知ることができた。

平和な時間が経過したことを示す泥炭ではなく、1000年に一度のカタストロフック・イベントである津波堆積物が一番上の地層がつくっているこの写真には、複雑な感慨を覚える。

私のワシントンDC行動範囲


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青い太線は自転車で走破したルートを示します。一日で走破した最長距離は、W&ODトレイルを往復した11月1日の125キロです。ランチや買い物によく寄る店も示しました。

漫画『セクターコラプス 富士山崩壊』

sc[1]
SECTOR COLLAPSE―富士山崩壊
漫画:光原 伸
原作:石黒 耀
監修:小山真人
2008年11月

259ページの漫画なのだが、読み終えるまでの時間が想像していたよりずいぶんかかった。セリフの文字数が通常の漫画より多いからなのではなかろうか。このことが、この本を手に取る読者の意欲をそいでしまわないか心配だ。しかし文字数が多い分だけ、ストーリーはよくできている。原作『昼は雲の柱』は神話部分が長くて少々たいくつだったが、漫画はこれをほとんどカットして軽快に進む。

火山の噴火あるいは災害危機管理に少しでも関心のあるひとには、大満足な漫画に仕上がっている。火山危機にさらされた社会には、さまざまな利害対立が存在することをよく描写している。ときには行政の情報よりも民間の情報が信頼できる場合があることを示したのは新しい。迫り来る火砕流からいかにして逃げるか。主人公たちは、地下シェルターに逃げ込むよく知られた手段をあっさりと見限って、思いもよらない行動に出る。

デビュー作『死都日本』で宮崎市と鹿児島市をすでに全滅させた石黒にとって、御殿場市を全滅させるのはわけのないことだったろう。しかし、宮崎市や鹿児島市をカルデラ破局噴火が襲う確率は10万年に1回だが、富士山が崩壊する確率は1万年に1回だ。今回の石黒フィクションが提示した課題をわたしたちは前回の10倍の重さで引き受けなければならない。

実名の小山教授だけでなく、登場人物の顔かたちがどれも火山業界の具体的誰かを彷彿させるので読んでいて妙な気分がした。ポニーテールの山野教授は、もちろん原作者の石黒さんがモデルだ。

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