風景に書き込まれた歴史を読み解く

The Story Behind the Scenery

史料から解読した天明三年噴火

田村知栄子さんといっしょに地学雑誌に書いた論文「史料解読による浅間山天明三年(1783年)噴火推移の再構築」の全文をウェブで公開しました。1995年に書いたこの論文は、次の6つの主張が新しかった。

1)噴火開始は5月9日でなく,5月8日だった。
2)8月4日夕方,軽井沢で降ってきた軽石に当たって死んだのは一人でなく二人だった。
3)8月4日夕方から,湯川を熱泥流が何度も下って沓掛(中軽井沢)の住家に被害を及ぼした。
4)鬼押出し溶岩は,8月4日深夜の軽石噴火クライマックス中に盛んに流出した。
5)荒牧の鎌原火砕流は,二つの火山現象(岩なだれと熱雲)から構成されていた。
6)鎌原土石なだれ+熱雲の発生源は山頂ではなく北山腹だった疑いがつよい。

4)の鬼押出し溶岩は、吾妻火砕流が流れた8月4日午後にはすでに火口から北側に2キロ程度流れ下っていたといまは考えています。

6)については、その後の調査研究で山腹発生を支持する証拠が増えています。一方、山頂発生の証拠は増えていません。鎌原土石なだれの発生源が鬼押出し溶岩の先端であることは、学術的に立証できたと言ってよい段階に達したと私は考えています。

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