風景に書き込まれた歴史を読み解く

The Story Behind the Scenery

鬼押出し溶岩の西では1783年噴火をいまでも経験できる

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火山館から湯の平を越えて、鬼押出し溶岩の西側地域を調査しました。ここには、山頂火口から226年前に流出した溶岩の地形がそのまま残っています。当時の噴火をダイナミックに想像することができる稀有な場所です。

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2007年7月に印刷した2万5000分の1地質図には、鬼押出し溶岩の西側に吾妻火砕流の領域を細長く設けました。溶岩樹型にあるのだからここにあるはずという論理でした。行ってみたら、標高2105メートル地点に確かにありました。

鬼押出し溶岩に沿って細く分布することも確かめました。300メートル西に移動すると、特徴的な黄色岩片がたくさんまじる1783年軽石が地表に露出します。峰の茶屋に軽石断面で、吾妻火砕流の層位を示すピンク色火山灰の下に露出する部分です。つまり、ここの地表は吾妻火砕流に覆われなかったことがわかります。

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釜山スコリア丘が鬼押出し溶岩に破壊されて東西に分断されたように地質図では表現しました。山頂火口から流れ出したばかりの鬼押出し溶岩の流れ中央部にも高まりがあって、それも釜山スコリア丘の残がいだと思っていました。しかしよく観察すると、それらは既存の前掛山凸部だと思われます。巨大なスコリアラフトには見えません。古い溶岩のように見えます。ここを鬼押出し溶岩が通過したのは確かですが、急斜面のためここに留まることなくすべて流れ下ってしまったようです。地質図を改訂します。

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